ニュースで容疑者が逮捕されるシーンを見ると、手錠にモザイクがかけられていることがあります。
なぜこのようなことが行われるのでしょうか？
テレビを見ていると気になりますよね。この記事では、その理由をわかりやすく解説します。
手錠にモザイクをかける理由とは？
まず最初に、手錠にモザイクをかける理由について簡単に説明します。
モザイクをかける理由は、主に以下の3つです。
- 人権を守るため
- 偏見を防ぐため
- 捜査への影響を防ぐため
これらの理由について、順を追って詳しく見ていきましょう。
人権を守るため
手錠にモザイクをかける主な理由の一つは、容疑者の人権を守るためです。
日本では「無罪推定の原則」という法律の考え方があります。これは、裁判で有罪が確定するまでは誰もが無罪と見なされるべきというものです。
もし、容疑者が手錠をかけられている映像がそのまま放送されてしまうと、その人物が犯罪者だと決めつけられてしまう可能性があります。
実際には、容疑者はまだ裁判を受けておらず、無実の可能性もあるため、手錠にモザイクをかけることで、その人の人権を守ろうとしているのです。
偏見を防ぐため
手錠にモザイクをかけるもう一つの理由は、偏見を防ぐことです。
手錠をかけられた姿を見てしまうと、その人が「危ない人」だと思ってしまいがちです。
ニュースを見た人が容疑者を犯罪者だと決めつけてしまうことで、その人の社会的な評価や家族にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
また、もし無罪になったとしても、手錠をかけられている映像が記憶に残ってしまうと、その人に対する社会的な偏見が残ることがあります。
このような偏見を防ぐためにも、手錠にモザイクをかけることが重要なのです。
捜査への影響を防ぐため
さらに、捜査に影響を与えないようにするためにも手錠にモザイクがかけられます。
容疑者が逮捕されると、その映像はニュースやインターネットを通じて広く報道されます。
もし、手錠がはっきりと映されると、その映像から容疑者の関係者が何らかの情報を得て、捜査に悪影響を与える可能性があります。
例えば、共犯者が逃げる際の手がかりになってしまうことも考えられます。
そのため、捜査に支障をきたさないようにするためにも、手錠にはモザイクがかけられているのです。
他の国の例と比較してみよう
日本だけでなく、他の国でも手錠にモザイクをかけることがありますが、その理由や方法は国によって異なります。
例えば、アメリカでは手錠にモザイクをかけることはあまり一般的ではありません。
アメリカでは「透明性」を重視する考え方が強いため、手錠の映像がそのまま放送されることが多いのです。
日本では人権や社会的な偏見を防ぐことが重視されており、この違いは各国の文化や法律の考え方の違いから来ています。
こうした比較を通じて、日本と諸外国との文化の違いについて理解を深めることができますね。
モザイクがかかるのは手錠だけではない
手錠にモザイクがかかる理由を理解したところで、実はモザイクがかけられるのは手錠だけではないということも知っておきましょう。
例えば、警察車両のナンバープレートや容疑者の顔にもモザイクがかけられることがあります。
これも、同じくプライバシーを守り、偏見を防ぐための措置です。
また、野球などのスポーツの録画映像にもモザイクがかけられることがあります。
例えば、広告看板に映る企業ロゴが権利の関係で表示できない場合もモザイクが使用されます。
ニュースで映像を見るときに、どの部分にモザイクがかかっているのか、そしてその理由を考えると、報道の背後にある配慮についてより深く理解できますね。
手錠にモザイクがかかるようになったきっかけ いつごろから？
手錠にモザイクをかけるようになった背景には、日本のメディアや法律の変化があります。
この習慣が始まったのは1990年代後半から2000年代初頭にかけてです。
それまでは、手錠をかけられた容疑者の映像がそのまま報道されることが多くありました。
しかし、視聴者からの苦情や人権団体からの指摘が増えたことにより、手錠にモザイクをかける必要性が認識されるようになりました。
特に「無罪推定の原則」の観点から、人権保護を求める声が強くなりました。
「無罪推定の原則」とは、裁判で有罪が確定するまでは容疑者を無罪と見なすべきという考え方です。このため、容疑者の社会的な立場を保護するための対策が進められました。
これにより、容疑者の人権を守る目的で手錠にモザイクがかけられるようになったのです。
また、報道機関の倫理基準の見直しも行われ、容疑者が不必要に社会から偏見を持たれないようにするための配慮が強化されました。
まとめ 容疑者の手錠にモザイクをかける理由をわかりやすく解説
手錠にモザイクをかける理由は、人権を守り、偏見を防ぎ、捜査への悪影響を防ぐためです。
ニュースで容疑者が手錠をかけられているシーンを見るとき、その背後には多くの配慮と考えがあることを思い出してください。
手錠にモザイクがかけられることで、容疑者の人権を尊重し、公正な裁判が行われる環境を守るための重要な役割を果たしているのです。
これからニュースを見るとき、手錠のモザイクがただの隠しではなく、重要な意図があるということを知り、報道の在り方についても考えてみてください。
