詐欺や悪質商法の被害に遭われた方の多くは「まさか自分が…」と振り返ります。
そして、家族や友人にも相談できず、一人で悩みを抱え込んでしまうケースが後を絶ちません。
しかし、詐欺師の手口や心理を知ることで、多くの被害は未然に防ぐことができます。
本記事では、人を騙すのが得意な人々に共通する4つの特徴を、解説していきます。
詐欺師の心理パターンを理解することで、あなたや大切な人を守るための「心の盾」を手に入れることができるはずです。
- うまく人を操る特徴
- 自分の行動を正当化する性格
- 周到な準備と計画性
- 言葉で相手を誘導する技術
うまく人を操る特徴
最初に目立つのは、相手の気持ちをよく理解しているように見せかける態度です。
困っている人に対して「大変でしたね」「そのお気持ち、よく分かります」と優しく声をかけ、親身になって話を聞いてくれます。
相手の気持ちに寄り添うフリをする
表面的には思いやりのある人に見えますが、実は計算して演じているだけ。相手が話すことに頷きながら、内心では「この人なら騙せそうだ」と考えています。
特に、お年寄りや心に悩みを抱えている人に対して、まるで家族のように接してきます。
相手の弱みを見抜く目を持っている
人の表情や態度、話し方から、お金に困っているか、孤独を感じているか、誰かに認めてもらいたいと思っているかを見抜きます。
そして、その人が一番欲しがっているものを提案してきます。
「私がいい話を教えてあげます」という言葉で、相手の希望につけ込むのです。
場面によって態度を使い分ける
最初は優しく接しますが、相手が疑問を持ち始めると態度が急変することも。
「せっかくあなたのことを思って教えてあげているのに」と相手の罪悪感を煽ったり、「今すぐ決めないと間に合いません」と焦らせたりします。
これは、相手の気持ちの変化を見ながら、最も効果的な態度を選んでいるからです。
このような特徴を知っておくと、突然現れた親切な人に対して、少し距離を置いて考えることができます。相手の「優しさ」が本物かどうか、立ち止まって確認することが大切です。
自分の行動を正当化する性格
この手の人々の怖いところは、人を騙すことに対して、まったく罪悪感を持っていない点です。
むしろ、「自分は正しいことをしている」と本気で信じ込んでいることも多いのです。
被害者を責める考え方を持っている
「だまされる方が悪い」「もっと慎重に判断すればよかったのに」と、被害者のせいにします。
「お金を奪ったわけじゃない。相手が自分で判断して支払ったんだから」という言い方で、自分の責任から目をそらします。
自分なりのルールで悪いことを正当化する
「この世の中、みんな誰かを騙しているじゃないか」「大企業だって消費者から搾取している」といった独自の理論を持っています。
中には「自分は悪い人から金持ちのお金を、困っている人に分配している」なんて、まるでヒーローのように考える人もいます。
他人の痛みに無関心
表向きは相手を気遣うような態度を見せますが、実際には被害者が経験する苦しみや悲しみにまったく関心がありません。
「借金を背負っても、それは相手の人生の問題だ」と、自分と切り離して考えます。
老後の資金をすべて失ったお年寄りの末路を想像しても、何も感じないのです。
このような考え方の特徴を知っておくと、相手の「言い訳」や「理由付け」が聞こえてきたときに、要注意サインとして受け止めることができます。
特に、被害者を非難するような言葉が出てきたら、それは危険信号かもしれません。
周到な準備と計画性
人を騙すプロは、決して衝動的に行動しません。
長期的な計画を立て、証拠を残さないよう用心深く動きます。
その計画性は、一般の人が想像する以上に緻密なものです。
ターゲットを選ぶ基準がある
SNSやネットの書き込み、街中での会話から、お金や心の問題を抱えている人を探し出します。
特に、最近退職した人、遺産を相続した人、離婚した人などは、要注意。大きな人生の節目で不安を感じている人を、まるでレーダーのように探知します。
少しずつ相手の信頼を得ていく
いきなり大金を要求することはありません。
最初は些細な相談から始まり、時には小さな利益を実際に提供することも。
「この人なら信用できる」と思わせてから、より大きな話を持ちかけてきます。
まるで沸騰させる前にカエルをゆっくり温める手口です。
逃げ道を必ず確保している
バレたときのことを考えて、必ず身元を隠せる仕組みを作っています。
- 偽名を使う
- 借りた携帯を使う
- 現金以外の決済手段を避ける
- 防犯カメラのない場所で会う
こういった用心深さが、被害届を出しても捕まえにくい理由になっています。
このような計画的な特徴を知っておくと、相手との関係が「何かのシナリオ通り」に進んでいないか、立ち止まってチェックすることができます。
特に、最初は小さな話でも、だんだん金額が大きくなっていく展開には要注意です。
言葉で相手を誘導する技術
話し方の特徴を見極めることは、とても大切です。
プロの詐欺師は、相手の心理状態を見ながら、巧みな言葉で誘導していきます。
その会話術には、いくつかの特徴的なパターンがあります。
プレッシャーをかけて追い込む話し方
「このチャンスを逃したら後悔しますよ」
「他にも興味を持っている人がいるんです」
「明日までの限定案件なんです」
こんな言葉で焦らせ、じっくり考える時間を与えません。
家族や友達に相談する余裕さえ奪おうとします。
信頼させるための言葉選び
「実は、あなただけに特別に教えているんです」
「私も最初は疑っていたんですけどね」
「〇〇さん(権威のある人)も参加されていますよ」
このように、選ばれた感や安心感を与える言葉を使います。
誰もが知っている有名人や企業の名前を出すのも、よく使うテクニックです。
不安をあおって焦らせるテクニック
「今のままじゃ、老後が心配ですよ」
「こんなに良い話、二度とないかもしれません」
「周りの人はみんな始めていますよ」
不安と焦りを煽りながら、その解決策は「これしかない」と思い込ませます。
こういった言葉のテクニックを知っておくと、「なぜか断れない」という状況に陥りにくくなります。特に以下のような言葉を聞いたら、要注意です
時間をくれない人、相談を禁止する人、決断を急かす人には、きっぱり「考える時間が必要です」と伝えましょう。
まとめ:人を言葉巧みにだます人の4つの特徴 被害に遭わないために
この記事で解説した「人を騙すのが得意な人」の4つの特徴を、もう一度確認しておきましょう:
- うまく人を操る特徴:相手の気持ちに寄り添うフリをして、信頼を勝ち取ろうとします
- 自分の行動を正当化する性格:罪悪感がなく、むしろ被害者を責める傾向があります
- 周到な準備と計画性:ターゲットを選び、時間をかけて信頼関係を築いていきます
- 言葉で相手を誘導する技術:巧みな話術で、相手を焦らせ、判断力を奪います
「まさか自分が…」と思っているあなたこそ、要注意かもしれません。でも、大丈夫です。この記事を読んでくれたあなたは、もう「気づく力」を手に入れています。
怪しいと感じたら、一呼吸置いて考えましょう。家族や友達に相談するのも、とても良い方法です。「話を聞いてほしい」「相談に乗ってほしい」というあなたの気持ちは、とても自然なことです。
あなたの「ちょっと待てよ」という違和感は、きっと正しいはずです。その直感を大切にしてください。
人を疑うことは、決して悪いことではありません。あなたと大切な人の暮らしを守る、賢明な判断なのです。